平成の終わりに健康について考える

実はけっこうテレビ好きで、情報を得ることも少なくないのですが、最近は連日のようにどのテレビ局も『健康』をテーマにした番組を放送していますね。本屋さんに行っても健康に関する本がたくさん並んでいて、気になるとついつい買ってしまいます。

元気で長生きする『健康長寿』は、すべての国民が目指すべき目標のように言われていますが、そもそも『健康』とはどのような状態を指すのでしょう?

WHO(世界保健機関)が提唱する健康とは「病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態」のこととされています。

満たされているかどうかは自分自身が感じるところなので、健康とは主観的要素を含むのものなのです。よって我々医療人が導こうとしている健康は、主に肉体と精神の健康であって、真の健康は、その人の価値観などを含むもっと大きなものです。

お酒やたばこを止めたら楽しみがなくなる、血圧は高めだけどどこも悪くないよ、と言う人に対し、医師として可能な限り治療の必要性を説明しますが、その人の価値観を否定することは正しいやり方だとは思いません。最終的に決めるのはご本人です。

明日から令和が始まります。昔からの健康法の正しいところ、間違ったところがだんだんと科学的に明らかになって、将来は我々が行っている生活指導の内容も変わってしまうかもしれませんが、健康が「人生を謳歌するために重要な条件の一つ」であることは変わらないのではないでしょうか。