検尿で何がわかるの?

診察を受ける時に「おしっこ採ってください」と言われますが、何で尿を採るのか疑問に思う方も多いと思います。

実は、尿には非常に多くの情報が入っていて、尿をみることで病気の推測ができるのです。

 

検査する項目と疑われる病気についてみてみましょう。

【尿蛋白】腎炎・ネフローゼ・尿路感染症など。

【尿糖】糖尿病・膵臓病。

【尿潜血】尿路結石・膀胱炎・前立腺炎・ポリープ・癌など。

【ケトン体】糖尿病・アシドーシス・発熱・消耗性疾患など。

【ウロビリノーゲン】肝障害・溶血性貧血・便秘など。

【ビリルビン】肝疾患・胆道疾患など。

【尿pH】アルカリ性だと尿路感染症など。酸性の場合は、糖尿病、腎炎、痛風など。

一般検尿で異常があれば尿沈渣で尿中の細胞を顕微鏡で調べ、病気の部位や程度を判断します。

 

このように少しの尿で多くの病気が推測できるのです。

 

当院でできる検査ではありませんが、麻薬やドーピングのチェックも尿でしますし、尿の腫瘍マーカーで癌の診断を行う研究もされています。また最近の話題として、線虫を用いて尿で癌の早期発見をするという研究もされており、将来実現するかもしれません。

余談ですが、尿の色が黄色いのは、処理された赤血球からできたウロビリノーゲンの色のためで、色の濃さは水分量に影響されます。

臭いや外見の異常も重要で、甘酸っぱい臭いは糖尿病の疑い、泡が立つ場合は蛋白が出ている可能性があります。血尿や混濁尿は明らかな異常なので診察を受けましょう。